サイコパスが婚活した話

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どうも、やゆよの人です。
一昨年、しばらく婚活をしてました。トータルで1年に満たない程度かな。
でもそんなわずかな期間で色んな意味で地獄を見たので、今日はそんなこの世の地獄について少し紹介しようと思う。

そもそも婚活とは

婚活に縁遠い人もいると思うので、昨今の婚活事情についてまずは説明しておく。

結婚活動(けっこんかつどう)は、結婚するために必要な行動。略称は婚活(こんかつ)。 ーWikipediaより

そのまま。平たく言えば、結婚相手を探すために、結婚相談所や街コンなんかに参加することを指す。

今は、相談所、街コンや婚活パーティー、アプリなどが主流だ。
他にも友達の紹介や合コンなど、これはまあ普通の恋人探しとあまり変わらない手法を取る。

なぜ婚活をする羽目になったのか

簡単に言うと5年付き合った元彼に手酷く裏切られて結婚する予定が白紙になったからだ。詳細は割愛。散々泣きはらして、我に返った時始まったのは「私は結婚したいのか?」という自問自答。

結婚したいかどうかはわからんけど、もう28歳なのに、ここからぼーっとしてたらあっという間に結婚無理な歳になるだろお前は馬鹿か?

と本能が殴りかかってきたので、無理やり活動を開始することとなった次第である。

 

婚活というのは、営業活動である

誰にでも、ある程度の人数パートナーになりうる異性がいるはずだが、ざっくり1%未満とかそういう確率である。遊びで付き合うならまだしも「結婚」という人生の一大決心をしうる人間を探すわけなので、婚活のFIX率の低さは想像に難くないだろう。

そのため、婚活で一番重要なのは営業用語でいうところの「パイを広げること」である。つまり「数うちゃ当たる」がものをいうのだ。

さらに婚活市場にいる人間は自分含め大半が「残り物」なので、自身の価格設定についてもシビアに見る必要がある。婚活疲れにより相手の地雷も多種多様になっていることがほとんどであり、コミュニケーションはかなり慎重に進めねばならない。

もうお分かりいただけると思うが、性別を問わず確実に営業職が有利である。特にコンサル営業は仕事のアプローチが婚活のそれと一致するのでめちゃくちゃに有利なのである。

何を隠そう、私のことである。
というわけで「婚活余裕だな」って思ってた。ずっと思ってた。

 

迫り来る婚活地獄

「婚活余裕だな」って思ってた中で出会った、地獄について語る。先に言っておくが長いぞ。

自分に値段をつける作業で出会った地獄

最初に私が取り掛かったのは値付け作業である。言わずもがな婚活市場における自分の価格設定だ。何度か婚活パーティをこなした上であたりをつけ、結婚相談所で客観的な意見を聞く作戦に出た。

相談所に入会し、歴戦のお見合いおばさん何人かと面談した結果言われたのは「相談所入らなくても大丈夫じゃないですか?」だった。

馬鹿野郎、私は営業なんだよ。蓋を開けたらサイコパスなんだよ!と思ったが、にこやかにお礼を言っておいた。とりあえずおばさんたちに気に入られていい人を紹介してもらわなくてはならない。営業はすでに始まっている。

しかし、化けの皮はすぐに剥がれるもので。

おばさん「やゆよさんなら、条件はいくらでも付けられると思いますよ、学歴とか、年収とか、好みの容姿とかね。希望を教えてください」

条件?相手に求める条件か?
どうしようあんまりこだわりがない。一緒にいて楽しければ高卒でもい...

一瞬悩みかけたが、本心が先に口をついて出ていた。

やゆよ「早●田卒と東海出身者以外でお願いします」

おばさん「えっ?」

やゆよ「●稲田OBは絶対に嫌です。静岡・愛知・三重・岐阜出身者を除いてください。その2つだけは生理的に譲れないんです*1

おばさん「わ、わかりました...」

しまった。笑顔で意味不明な条件を提示してしまった。完全にサイコパスである。生理的に受け付けられない条件が特殊すぎる。さっきまでニコニコしていたおばさんの顔が引きつっているのがわかる。でも止められない。

やゆよ「定職についていれば年収は問いません。最終学歴も問いません。早稲●以外なら。容姿は、強いていうなら鼻がよく見える角度の写真があると嬉しいです」

だめだ、完全にやらかしている。鼻がよく見える角度の写真ってなんだよ。
しかしさすがのプロである。おばさんは困惑しつつも、絞り出してこう言った。

おばさん「おぐし、は。」

おぐし。御髪。やめろ、私はハゲネタに弱いんだ。てか今なんの時間なの?処刑されてるの?

そんなこんなで、(自身の内面にある)地獄を見たが、とりあえず【結婚相談所】における私の価値がわかった。もう少し参加のハードルの低いお見合いパーティではその分下がるだろうが、大枠が大体理解できたのでよしとしよう。

こうして筆者の婚活は本格的に始まった。

スキルで乗り切る営業女が気付いてしまった地獄

何度も言うが婚活は営業である。私はまるでお金をもらっているかのように営業をやってのけた。だから実は婚活中のマッチング全勝している。自分の価格設定、ヒアリングから購買層を見極める。反応はスゴクいい!

非常にいいの図
▲自分の営業力に感心するやゆよの図


ただ、しばらくしてあることに気付いた。肝心の「いいな」と思える人が全くいないのである。

いや、30代MARCH卒の年収600万、鼻は65点だがフツメンで、男性としては魅力的そうな人もいた。でもとにかく話しててつまらない。私は話を合わせるだけで、内心全然楽しくなかった。そんな人が「結婚を前提にお付き合い」と言ってくれても「お前がいいなと思った私は営業女としてのやゆよであって、サイコパス★やゆよじゃあない!!」としか思えなくて即断った。グッバイ。あなたにはもっと合う女性がいると思うの。

これはおそらく真理なのだ。私は営業女としてのスキルを評価されているだけで、それが評価されればされるほど、素の自分とかけ離れて行ってしまう。かといって最初からサイコパス★やゆよでは誰も寄り付かない。

そこからは「楽しくない人」はバンバン切っていった。時にお断りした数ヶ月後に突然「お元気ですか?」というタイトルのメールを送ってくるおじさんなどもいたが、それは読まずにゴミ箱行き。

とうとう出会えた「楽しい人」と、行き着いた先は

そんな中、とうとう一緒にいて「楽しい」と思える人が現れた。
彼とは共通の趣味である野球をテーマにした婚活イベントで知り合って、何度か一緒に試合を見に行った。私よりも野球に詳しく、ユーモアも常識もある、ヤクルトの山田哲人に似た鼻70点の公務員だったから、そろそろお付き合いしてもいいかもしれないと思って浮かれていた。そんなやゆよの前に暗雲が立ち込める。

何度目かのデートで私の大好きな水族館に行くことになった。はじめての野球以外のデートである。

しかしこれが、なんともめちゃくちゃ楽しくなかったのである。

野球を見る時あれだけ饒舌に、私の知らない事まで色々話してくれる彼は水槽の前で押し黙り「きれいだね」とだけ呟いて進んで行く。そしてとうとうクラゲ水槽の前で「きれいだね」とにこにこしたまま立ち止まってしまった。

「きれいだね」にすっかり飽きていた筆者はというと腔腸動物の自我について」考えていた。

この子達には脳がないのだけど、何を思って餌を食べ、波に流されているのかしらん。

まあ何を見ても「きれいだね」しか言わない男に「ヒドラがさ…」と切り出すのは無意味だということはわかりきっている。ああでも話したい。クラゲと珊瑚が分類上仲間だということから…

というわけで、結局この人にも素ではいられないんだな、趣味友としてはいいけど、パートナーとしては無理、とグッサリきた。次のデート後から距離を置かせてもらったが、その後勝手に会社を調べて名指しで電話をかけてくる奇行を働かれたことで綺麗さっぱりお断りできた。グッバイ。公務員なんだから行動には気をつけろよ。

行き着いた先には、「あれ、なんか、私、婚活むりじゃね?」という地獄がぽっかり口を開けていた。

それでも筆者は結婚したいのか

こうして何度も結婚モラトリアムに襲われたが、結論としては「結婚したい」に着地している。ただし、私が欲しいのは「自分の人生を豊かにするパートナー」である。

やっぱり私は嘘笑いする必要がないほど、勝手に私を笑わせてくれる人がいい。この、人を食ったような性格の悪さを笑ってくれる人がいい。鼻が75点以上だとなおディモールト・ベネ。
非常にいい図その2
▲メローネが大好きなので画像を使いたいだけです

結局そういう人と見合いで知り合うの、至難の技だなあ。解散解散。

というわけで、結婚はしたいが婚活はやめて自然の流れに身を投じることにしたのだった。

そもそもまともでポテンシャルがある女は、とっくに結婚してるし、30過ぎたら何もかもの市場価値が下がるという事実だけは忘れてはならない。と、言いながら私が髪型を刈り上げにしてるのはやっぱりサイコパスだからだと思う。

本当はもっとお話ししたい地獄があったのだが、何をどうやっても悪口にしかならなかったから、サイコパスの話だけでとりあえず許してほしい。機会があればそのうちね。
まあ、こうやって現実を無慈悲に突き付けられたのは、ひとつの地獄といって過言ではないだろう。

ホント、途中で何度かこんなんなったから。
人間をやめる図
▲余談ですがよく人間やめてるので、妹からの私の愛称がたまにDIOです

おしまい。

*1:該当する人ごめんね。友達としてはいいとしても結婚は無理。でも君とは結婚しないから許されたい